お茶のブレンド

お茶のブレンド

世界のお茶の生産量の約一割を英国が輸入しています。入港したお茶はすぐに倉庫で貯蔵します。倉庫の中で、お茶を少量抜き取り、プローカーが品質検査をします。

プローカーはサンプルを顧客(買手)に送り、買手は慎重に検討し、評価します。

家庭の主婦は近所のお店やスーパーで何時も慣れ親しんだ味のお茶を買いますが、このような一定の変わらない品質、味覚、風味のお茶をつくりだすのはまさに芸術です。
 
世界各地から送られてきたお茶は其々に特徴があります。お茶の水、色、質、コク、風味などは梱包ごとに違うからです。
 
メーカーは従って、厳しい訓練を受けたティー・テースターに依存することになります。

会社から特殊なお茶をつくり出すように指示を受けた場合ティー・テースターはブローカーを通じて各国のオリジナルのお茶を取り寄せ、試飲し、買付金額まで責任を持ちます。大変重要な役割をティー・テースターは果たしています。

英国で最も親しまれ、よく売れているPG Tipsは28種類の異なった原料でプレンドしたお茶です。
ティー・テースターの芸術的な秘密の厳選は細部までこだわる緻密さ、注意深さです。
美味しいお茶は標準的な水の量、標準的なミルクの量から―定の時間で、変わらない味を出すことです。
ティー・テースターはもし、味に変化があればすぐに原因を見つけだすことが出来ます。

PG Tipsの場合、テースティングに使うお茶の標準量は昔の通貨に含まれていた銀の量ーシルバー・シリングーと同じ5.65グラムです。普通の人が入れる二倍の濃さです。これは市販向けのお茶を考慮した場合の最適量とテースターが判断しているからです。

更に重要な点は水色、お茶を入れた後の茶葉のサイズと色合いを考慮します。経験のあるテースターは送られてきたサンプルをみただけで茶園を特定することができます。 インドだけでも13,000箇所の茶園があります。

試飲する際、テースターはスプーンですすり、大きな鼻音を立てて吸い込みます。上流社会のひとは眉をひそめますが、この方法ですと溶液が舌の奥まで入ります。舌の奥は微妙な味、変化に富む風味を感じとることが出来るからです。
口に含んだお茶はスピットーンといわれる壺にはきだします。PG Tipsをつくっているブルックボンドでは第一級のお茶をお届けするべき最大の注意を払い、工場での品質管理、清潔、衛生面に重点を置いております。

変化するお茶の顔

伝統的なお茶はルーズ・リーフです。通常は紙箱かメタル缶に入って売られています。家庭では適量の茶葉をティー・ポットに入れて、味を良く浸出させて飲んでいます。理想的に言えば、充分に美味お茶がでるまで3~5分間蒸らしておくと完全なフレーバーと濃度が得られます。

しかし、1950年代に革命的なことが起こりました。ティー・バッグが英国の商店に出始めたことです。イギリス人は古くからのしきたりを直ちに止めることに抵抗感がありましたが、それでもいやいやながらティー・バッグを受け入れ始めました。現在では英国市中で販売されているお茶の85%はティーバッグです。
 
ティー・バッグの特徴はお茶の濃度を一定に保つことが出来ます。
ティー・バッグですと茶葉を小さくして素早くお茶を入れることが出来ます。
 
熱いお湯を注いだときに破れず、お茶の味を損なわれないような特殊な紙が開発されました。以来、紙質にはいろいろと改良が重ねられ1980年半ばに一人分のひも付きティー・バッグが開発されました。
カップのなかで素早くおいしいお茶が入れられるようになったのです。

更に、驚くべき確信的な開発に成功しました。それはお茶を粉末にしたインスタント・ティーです。お茶を入れる時間を極端に減らすことができ、又簡単に使えます。
PG Tipsのインスタント・ティーは英国紅茶市場におけるパイオニヤーです。インスタント・ティーはお茶の味が全く同じです。

つくり方は簡単です。ルーズ・リーフを大きな釜の中で煮立てます。一旦お茶の味が浸出したら漉し、凝縮し、水分を除去します。凝縮したお茶を冷凍します。最後に求める味と風味が粉末に取り込まれたかを確認して冷凍乾燥します。現在ティー・バッグティーが世の中で認知されているように我々のインスタント・ティーも広く受け入れられるようになることを信じています。